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統合医療とは

統合医療とは?

 

 

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『西洋医学』と『東洋医学』には長所もあれば短所もあります。それぞれの長所を取り入れ、お互いの短所を補い合うような医療、これを『統合医療』といいます。『統合医療』は通常の『西洋医学』に『東洋医学』や『伝統医学』などの『補完代替医療』を加えることによって、病気の早期発見や予防、根治、健康維持の増進などを目指す新しいタイプの医療体系です。米国では Integrative Medicineと呼ばれ、最近、各地の大学病院にIntegrative Medicineを標榜する専門クリニックが誕生しつつあります。しかしながら、日本の医療は漢方や鍼灸などの伝統医療を擁しながら、明治以降軽視する傾向が続き、現在は西洋医学一辺倒の医療が主流を占めています。

東洋医学

 

 

『伝統中国医学』は、中国において発展し、朝鮮半島や日本に伝わりそれぞれ独自の発達を遂げてきました。
伝統医学の総称で『東洋医学』とも呼ばれています。明治維新以前は、日本では西洋医学に類しない『漢方』や『鍼灸』治療などをもとにした東洋医学による伝統医療が行われてきました。
維新以後は急速に西洋医学が導入され、日本の伝統医療は衰退してきていました。一方で、現代の西洋医学だけでは物足らず、民間の鍼灸や整体などの治療院も依然として根強い支持を得ているのも事実です。
米国では最近、西洋医学の視点から東洋医学の治療効果を評価しようという動きが起きています。最近の内外の研究により鍼灸や漢方の有効性が科学的に証明されつつあります。

補完代替医療 -米国の現況-

 

 

『補完代替医療』とは、通常の医療を補完、相補する医療という意味が込められた用語です。米国では Complementary and Alternative Medicine( CAM)の名称が使われています。鍼灸、漢方薬、指圧、気功、マッサージ、ヨガ、カイロプラクティックなど, 西洋医学の範疇に属さない療法を総称して CAM と呼んでいます。1992年、国民の関心の高さを背景としてアメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)にアメリカ国立補完代替医療センター(NCCAM;http://nccam.nih.gov)が設置されました。2005年にはNCCAMに1億2000万ドルを超える研究費が費やされ、その額は年々増加の傾向にあります。NCCAMの資金で全米の15の大学に種々のCAMのセンターが創設され、それぞれの大学の得意とする分野でCAM医療の研究が始められました。その研究内容の概要はCAM医療が、本当に効果があるのかという臨床研究と、いままで神秘的とされてきた CAMのメカニズムに関して、科学のメスをあてようという試みの両者があります。

近年、米国において一度はCAMを受けたことがあるという成人が50%に達し、補完代替医療が一般的となってきています。調査では、学歴が高い人や知識人層など時代を先導してゆくとされる人たちほど、補完代替医療を評価し積極的に利用しているということも明らかになっています。数年前に、『ニューズウィーク』という週刊誌に補完代替医療の特集号が掲載され、全米の医療施設における種々のCAM療法の現況が紹介されています。

従って、うつや不安などの心の病を身体的なアプローチ(鍼、マッサージ)で癒す事が出来ます。逆に、慢性疼痛、消化器病、循環器病などの身体の病を心的なアプローチ(瞑想)で治す事も可能となります。もちろん、心の病に 心的なアプローチ や身体の病に身体的なアプローチも可能です。

統合医療的アプローチはこれらの効果 (抗うつ作用, 鎮痛作用,自律神経機能改善作用)により、癌患者のターミナルケアにとっても有効な手段となり得るでしょう。

統合医療の適応

抗不安作用・抗うつ作用

 

視床下部 のオキシトシンがストレス軽減に大きく関与しています。瞑想, ヨガ、太極拳による精神集中は前頭葉に直接作用して、その機能異常を補正してくれます。前頭葉の機能が正常化することにより、視床下部のオキシトシン神経への指令が亢進するのです(トップダウン効果)。

 

一方で、鍼やマッサージは、末梢の知覚神経の刺激を経て、視床下部のオキシトシン神経の活性を高めます(ボトムアップ効果)。この両者(トップダウン効果とボトムアップ効果)により、オキシトシン産生が高まり、うつや不安の解消が期待できます。

 

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うつ病と統合医療

 

抗うつ剤(SSRI)

1999年、抗うつ剤である「選択的セロトニン再取り込み阻害剤; selective serotonin reuptake inhibitors (SSRI)」が日本で認可されてから1年で、うつ病患者は100万人に倍増しました。

日本だけではなく先進諸国でも、SSRIが売り出されるとうつ病患者が爆発的に増えるという「SSRI現象」が繰り返されてきました。値段で比べると、日本で多く処方されている「パキシル」は、それ以前によく使われていた三環系抗うつ剤の「トリプタノール」や「トフラニール」の18倍も高いのです。

莫大な利益を生むSSRIが導入されると、製薬会社はテレビ、新聞、雑誌、インターネットなどを使い、「うつは心の風邪」と詠い、大規模なうつ病キャンペーンを行い、精神科・心療内科への受診を促しました。いったん受診するとたとえ一時的な気分の落ち込みであっても、簡単な問診だけでうつ病の診断が下され、SSRIが処方されてしまったのです。

 

米国の事情

SSRIを服用しても、うつは改善しないばかりか、かえって症状を悪化させたり、自殺や殺人事件を引き起こすなど重大な副作用が発生することが判明し、社会問題にまで発展しました。

アメリカでは、SSRIの副作用をめぐる多くの裁判が起きたため、製薬会社は数十億ドルの和解金を払ってSSRIの販売停止を防いできました。代表的なSSRIである「パキシル」を販売するグラクソ・スミスクライン社は、自殺に関する訴訟150件で平均200万ドル (2億円)、自殺未遂に関する訴訟300件で平均30万ドルを(3000万円)支払って和解するなど、「パキシル」の訴訟解決のために計20億ドル以上を投じてきたのです。

しかしながら、日本ではSSRIの副作用が欧米で大きな社会問題になっているという事実は、不幸にも広まりませんでした。1998年の抗うつ剤(三環系抗うつ剤)の年間販売高は、173億円でしたが、1999年にSSRIが日本で販売されると、その売り上げは急激に伸び、2007年には1000億円を超え、使用が減少している欧米とは大きな違いを見せています。

 

SSRIの副作用

SSRIは脳を異常に興奮させる薬であり、その副作用は覚せい剤やコカインの場合とよく似ています。SSRIは脳を危険なまでに興奮させ、躁状態にさせます。そうすると自分が何でもできるという「全能感」と、他人よりも優れているという「優越感」に支配されるため、まともな判断ができなくなります。

その結果、暴力行為や自殺、犯罪事件へと発展するケースも少なくありません。加えてSSRIを長期服用した場合、ネガティブな感情が抑えられるだけではなく、喜び ・愛情・情熱・快感などのポジテイブな感情も低下して、極端な場合には「情動の欠如」といった状態となります。

日本では、SSRIの売り上げと、自殺率はどちらも右肩あがりで年々上昇を続けています。うつ病で自殺した患者の約7割が精神科で治療中であり、その多くは抗うつ剤を服用していました。自殺した20~50歳代の女性においては100パーセントが通院していました。本来、うつ病の発症や症状を押させ、結果として自殺率を低下させるはずであるSSRIが、逆に自殺率を増加させているのです。「SSRIの売り上げ」の増加が「自殺率」の増加に関与している可能性が指摘されています。

 

プラセボ(偽薬)効果

2009年には、プラセボ(偽薬)を投与した群とSSRI投与群を比べると、軽度~中度のうつ病患者においては、症状が改善したケースにはほとんど違いが見られなかったという結果が報告されました。

「うつ病は薬なしでも自然に治るケースも多く、うつ病にまず抗うつ剤ありきの考え方を見直すべき」と主張する専門家たちも増えているのです。

こうした実情はうつ病治療の従来の治療法に新たな道を拓くことになりました。つまり、「投薬」という従来の治療計画書に「瞑想技術を精神療法に取り入れる」という変更がなされたのです。

瞑想、ヨーガ、太極拳、鍼などの治療法がその症状を軽減することがわかれば、今後の私たちの治療法においてはストレスを原因とする不安症の治療で、抗不安剤であるSSRIやジアゼパムを最初の治療法として選ぶことはなくなるでしょう。

 

『ドクター徳』の推奨するうつ病への統合医療的アプローチ

 

ファーストチョイス

―日常生活の改善(散歩、運動、早寝早起き,友人/家族との交流)

 

セカンドチョイス

―腹式呼吸、瞑想、ヨーガなどのトレーニング

 

サードチョイス

―鍼治療、マッサージ

 

その他

―向精神薬からの離脱(減薬・断薬)

―漢方薬の服用

 

クリニック徳は名古屋市から「自立支援医療機関」として指定されています。従って、精神疾患で当院通院中の患者さんの自費負担は3割から1割へと軽減されます。

 

 

 

 

 

鎮痛作用

中脳のオピオイドは鎮痛作用に関与しています。瞑想, ヨガ、太極拳による前頭葉の機能の正常化に伴い、そのトップダウン効果は中脳のオピオイド 神経にも及びます。鍼やマッサージも、末梢の知覚神経刺激を経て、中脳のオピオイド活性を高めます(ボトムアップ効果)。この両者の効果で、オピオイド産生が高まり、痛みが軽減されます。

慢性疼痛と統合医療

非ステロイド系消炎鎮痛剤

急性疼痛の際には、筋肉などの炎症細胞からプロスタグランディンが産生され、痛みが発現します。そこでプロスタグランディン産生を押さえる目的でnon-steroidal anti-inflammatory drugs(NSAID) と呼ばれる「非ステロイド系消炎鎮痛剤」が使用されます。NSAIDのなかで最もよく知られているのは、「アスピリン」「ブルフェン」「ロキソニン」などです。

しかしながら、痛みが長期間継続している状態(慢性疼痛)では、その痛みの主因は主に神経由来であり、筋肉などでのプロスタグランディンの産生はもはや亢進していないのです。したがって慢性疼痛には理論上、鎮痛効果を期待できないのです。慢性疼痛へのNSAIDの乏しい臨床効果がそれを裏付けています。NSAIDを含んだ湿布薬も同様です。

 

リリカ

近年、神経原性の慢性疼痛に対してはプレガバリン(商品名:リリカ)が開発され、広汎に処方されています。プレガバリンは神経に存在するN-typeのカルシウムチャンネル拮抗薬であり、神経細胞内へのカルシウム流入を抑制します。グルタミン酸などの神経伝達物質の放出を妨げることにより、疼痛信号の中枢神経系への伝達を抑制し疼痛を緩和するとされています。しかしながら、N-typeのカルシウムチャンネルは末梢神経、中枢神経を問わず、全身の神経に存在しており、プレガバリンは疼痛の伝達に関わる神経のみならず、すべての神経の活性を低下させます。めまいや傾眠などの副作用のため、リリカの服用を自己中止している患者も多くみられます。

末梢神経や中枢神経には痛みの伝導路を遮断し、痛みを抑える作用を持つ神経伝達物質(セロトニン、オピオイド、オキシトシン、GABAなど)が存在しています。しかしながら、リリカはこれらの伝達物質の活性をも抑制し、結果的に自然治癒力の根源である内因性の鎮痛作用が抑えられてしまいます。鎮痛効果が得られない症例には、25ミリグラムから150ミリグラムまでその処方量を増量することが推奨されていますが、鎮痛効果は得られず、副作用のみが増長する結果となります。

 

瞑想・ヨーガ

慢性化した疼痛を治療するには、心と身体に別々にアプローチするのではなく、ひとつの統合体として認識して治療することが重要です。慢性疼痛の治療にあたっては、心のケアから入り、身体の痛みを治していく手順を踏めば顕著な改善につながる可能性があります。 ヨーガを3~4ヶ月間続けると、背部痛、リュウマチ性関節炎、偏頭痛などの痛みが以前と比較すると格段に軽くなったという報告もあります。

 

鍼治療

オピオイド(脳内麻薬)が起こす鎮痛効果は中脳水道周囲灰白質から脳のさまざまな神経核につながる経路を経由して調整されています。鍼によって鎮痛効果が起こるのは、内因性のオピオイドによって調整された結果であることは以前からよく知られています。

鍼の鎮痛効果については、オピオイドの他に視床下部のオキシトシンにも認められています。鍼治療をすると何故痛みが和らぐのか、その理由はどうやらオピオイドとオキシトシンが共同で働くことにありそうです。

 

運動

薬剤に頼らない治療法のなかでは運動療法が最もよく研究され支持もされています。慢性腰痛、鞭打ち症後遺症、関節炎などの慢性的な筋骨格系の痛みの治療には身体運動が効果的です。運動をすると筋肉の神経線維のなかではリズミカルな電位差が起こり、そのことにより他の身体器官における機能の変化を誘導するのに不可欠なオピオイド、およびオキシトシンが体内で放出されます。

 

『ドクター徳』の推奨する慢性疼痛への統合医療的アプローチ

ファーストチョイス

―運動、鍼治療、

セカンドチョイス

―腹式呼吸、瞑想、ヨーガなどのトレーニング

サードチョイス

―漢方薬

その他

―西洋薬(NSAIDsやオピオイドなど)は以上の治療が無効な際に限りのみ処方。

リリカは禁忌。

 

 

 

アトピー性皮膚炎

私たちの身体は、体内で不要になった老廃物などを種々の臓器(肝臓・腎臓・大腸・肺など)を使って体外に排出しています。これをデドックス(毒出し)といいます。

アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患と言われていますが、どうしてこんなにアトピー性皮膚炎が近年、増加しているのでしょうか?

 

体内に入ってきた化学物質(農薬・食品添加物・重金属・薬など)は主に肝臓や腎臓で分解・解毒されます。そして、本人の肝臓や腎臓の処理能力を超えた場合は、皮膚からデドックス(毒出し)されることになります。何故ならば、皮膚は全身で一番大きな臓器だからです。不要な化学物質が皮膚からデドックス(毒出し)されることに伴い、皮膚の発赤・痒み・湿疹などが出現してきます。

 

一般的には、アトピー性皮膚炎にはステロイド剤の塗布が汎用されています。ところが、ステロイド剤は皮膚の炎症を抑えることで、この毒出しを押さえ込んでしまいます。ステロイド剤により皮膚の湿疹は、一時的には治まるかもしれませんが、体内に入ってきた化学物質は体外に排出されず、長期間体内にとどまることになります。結果、種々の病気に発展する可能性も否定できません。

 

したがって、アトピー性皮膚炎の根本的な治療は、毒出しという皮膚の負担を軽くしてやるということにつきます。ステロイドを使った期間が長いほど、毒出しに時間がかかります。肝機能や腎機能が低下している場合も、皮膚からの毒出しの期間が長くなります。

 

『クリニック徳の治療方針』

1 食物中の農薬・食品添加物の摂取をなるべく、控えることです。ジャンクフードやコンビニ弁当は食品添加物が大量に含まれています。近年、若い人たちを中心にアトピー性皮膚炎が爆発的に増加していますが、日常の食生活に問題はありませんか?

2 肝臓や腎臓の解毒機能を高めること。これには、自律神経系を刺激することが必須です。それには、鍼治療が有用です。古来の漢方にも、解毒機能を高める薬草が存在します。

3 アトピー性皮膚炎の患者さんの多くに、手足の冷えがみられます。体温が36.5℃に近づき、手足の冷えがなくなれば、免疫力が本来の姿に戻ってきます。このような状態に近づくと、体内の毒出しが盛んになります。そこで、体温を上げるべく毎日の運動や散歩も大事です。鍼治療や漢方も冷え性に効果があります。

 

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不眠症・不安神経症

「不眠症」で病院に行けば簡単に処方される睡眠薬。

この睡眠薬に重大な落とし穴のあることを、ご存知ですか?

 

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の功罪

人間の身体は約60兆個の細胞からできています。それぞれの細胞はその表面に多くの受容体(リセプター)を持っており、多くの薬剤はその中で必要な受容体を選択して結合します。

γ-アミノ酪酸(GABA)という神経伝達物質があります。GABAは中枢神経系において豊富に分布していますが、その主な作用は神経活動の抑制にあります。「ベンゾジアゼピン」という薬剤は神経表面に存在するGABAの受容体(GABAA 受容体)に結合します。その結果、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、脳の活動を休ませて眠りへと導きます(睡眠導入)。加えて鎮静・抗不安・抗けいれん・筋弛緩などの作用があります。

ベンゾジアゼピンは、その作用時間により短時間型・中間型・長時間型に分類されています。短時間型(リーゼ、デパス)と中間型(ワイパックス、コンスタン)は主に不眠症の治療に、長時間型(セルシン、メイラックス)は主に不安の治療に処方されています。

 

副作用

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用として、眠気、めまい、集中力の欠如などがあります。また、運動機能や姿勢制御機能の低下によって転倒や怪我を招くこともあります。運転操作の支障により交通事故の可能性が増加します。さらには健忘、認知障害、てんかん発作、攻撃性、暴力、衝動性、自殺行動などの有害な精神的・身体的影響なども報告されています。

また、通常予想される事とは反対の反応を示す場合もあります。例えば、パニックの状態がベンゾジアゼピンを服用することで悪化する場合があります。

 

どうして副作用がこのように多岐に渡るのでしょうか。それは中枢神経におけるGABA受容体の分布の多様性にあります。視床下部や扁桃体には不安や不眠に関係している神経が存在し、ベンゾジアゼピンはこれらの神経に存在するGABA受容体に結合することで、不安や不眠を改善します。これが期待される主作用ですが、GABA受容体はこれらの神経以外にも中枢神経には広く分布しています。

小脳のGABA受容体に作用すれば運動機能の低下、大脳皮質のGABA受容体に作用すれば認知機能の低下が起こります。攻撃性、暴力、衝動性、自殺行動などは脳が司る高次の精神活動低下により引き起こされます。高齢者では、長期間の服用による有害反応に苦しむリスクが高く、認知症のリスクの増加にも結びついていまます。このように「ベンゾジアゼピン」は様々な中枢神経の活動を広範囲に渡って低下させる薬剤であるということを認識すべきです。

 

効果の減弱

受容体と結合して神経伝達物質やホルモンと同様の作用を起こすクスリをアゴニスト(作動薬・刺激薬)といいます。アゴニストがこの受容体を占拠し刺激し続けると、受容体の感受性が低下してくることが薬理学的に証明されています。このことが、種々の作動薬を長期間服用しているとその効果が弱くなってくることの原因と考えられています。

 

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は「GABA受容体作動薬」です。この薬剤の長期間に渡る服用により、徐々効き難くなってくることがよくあります。デパス1錠で眠れていたのが、やがて1錠では眠れなくなり2錠に増やすことになります。このように対処方法としては、投薬の増量がまず挙げられますが、その結果、上記のような副作用の発現頻度が高まります。

あるいは、別の薬剤の追加投与が考慮されますが、その結果多剤投与による相乗作用により新しい未知の副作用が現れることになります。この弊害がとくに精神神経疾患の臨床現場で大きな問題になってきています。

 

離脱症状ベンゾジアゼピン離脱症候群

ベンゾジアゼピンの長期間の使用に伴う有害作用により悪化した身体や精神の症状が、ベンゾジアゼピンから離脱することにより改善されることがよくあります。しかしながら、一方でベンゾジアゼピンには長期間の使用後に減薬・断薬した場合、離脱症状を生じさせる危険性が指摘されています。

 

ベンゾジアゼピンの服用によりその依存性が形成されて後に、用量を減量するか、断薬することによって生じる一連の症状が「ベンゾジアゼピン離脱症候群」(出現頻度:15-44%)と呼ばれているものです。

深刻な睡眠障害、不安と緊張の増加、パニック発作、手の震え、発汗、吐き気やむかつき、動悸、頭痛、知覚変化、幻覚、てんかん発作などがあります。これらの症状は単純に直線的に減少するのではなく、重症度が日々あるいは週ごとに変化し、一進一退します。

 

「ベンゾジアゼピン離脱症候群」の発生機序についてはよく解明されていません。ベンゾジアゼピンの慢性的なGABA受容体刺激が、減薬・断薬により早急に消失することによる広範な中枢神経系の混乱の可能性が考えられています。

 

時に、離脱症状は「躁鬱病」や「統合失調症」のような状態に似ていることがあり、担当した医師が「ベンゾジアゼピン離脱症候群」と見分けられなければ、「躁鬱病」や「統合失調症」に対する別の種類の薬剤(抗うつ薬や統合失調症薬)の投与にもつながり、新たな悲劇が始まります。

 

不眠や不安症状の対処方法

「ベンゾジアゼピン」は不眠症の短期間の治療には有用かもしれませんが、その処方は依存や有害作用といったリスクと利益をよく検討したうえでなされるべきです。

依存症がある薬剤のため、ベンゾジアゼピンは2~4週間以内の使用にとどめるべきで、断続的に最小有効量で用いることが望まれます。長期間の使用は有害な精神的・身体的影響に関する懸念のため推奨できません。

 

服用量をゆっくり徐々に減少させることによって、深刻な離脱症候群の発症の可能性を最小限にすることができます。

一方で、ベンゾジアゼピンの長期使用者の場合、彼らの意思に反してまで、離脱を強制することには慎重であるべきと考えます。これらの患者には、副作用の可能性を繰り返し説明し、自覚して減量してくれることを期待しながら、同じ処方を繰り返すことになります。

 

以上の事由から、「クリニック徳」では不眠や不安症状に対して、ベンゾジアゼピンの処方はできる限り避けるようにしています。そして、第一選択肢は認知行動療法と考えています。具体的には、適度な運動・散歩・自律神経訓練法(腹式呼吸・瞑想・気功・ヨーガ)などです。

 

 

自律神経機能の改善作用

瞑想, ヨガ、太極拳による前頭葉の機能の
正常化により、そのトップダウン効果は延髄にも及びます。鍼やマッサージも、末梢の知覚神経の刺激を経て、延髄に働きます(ボトムアップ効果)。この両者の作用で、自律神経機能の改善が期待できます。循環器や消化器は自律神経の調節を受けているので、改善された自律神経機能は循環器や消化器疾患の治療に有益です。

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